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(橋上より―町役場・医大方面)

 たまたま火災の報知が町内のスピーカーから流れてきて、窓から見ると団地の屋根の向こうに煙が上がっている。少し前にやはり近くに火事があって、見舞金を寄付したばかりであった。なんとも火事の多い地区である。この6・7年で、近在に5件の火事があった。
 一度は買い物途中に、ドンという音がして、燃え盛っている家を目の当たりにした。幸い死傷者はなかったようであるが、家が燃えているのを見るのは、なんとも恐ろしい。炎と煙が空に垂直に昇って、一切の家財を灰燼に帰してしまうのである。
 K市にいた頃は、数十年で近くに3度ほどの火事があっただけで、一度近所に火事があれば、十年間はないものと言われていたものである。家が密集する団地という地域の事情なのであろう。おまけに高齢者の多い町であるから、火災に対する注意力が心配である。
 この町に越して来た時から、火災が気になっていた。防災訓練には毎年出ることにしていたが、このところコロナで中止になっている。防災練習では、消防署職員の指導で、消火器の使い方や、実際の火事にあたっての脱出法など、さらには地震に際しての揺れの激しさや、救急救命の仕方なども、実地に体験できる。
 この町に来てから、久しぶりに火の用心の拍子木の音を、年末に聞いた。聞いたばかりか、一度は自ら参加して、オリオン座の冴えかえるもとで、木を鳴らして、ぞろぞろと町内を歩いた。
 確かに自ら用心するだけでは、火災は防げない。延焼が怖いのである。近くでは隣接する2軒が焼けた。冬の北風が強ければ、地区全体が脅威にさらされる。そのような大火災も、他の町では起こっている。
 地震に関しては、東・南海大地震が、この先30年の間に90%の確率で起こると予想されている。確率90%と言えば、ほぼ確定に近いのである。先年の東北地方の大地震では、埼玉県でもかなりの揺れがあり、それと同じほどの揺れを考えておかねばならない。団地の中には耐震基準に満たない家屋が多いであろうから、何とか先年のように、わずかな被害で収まってもらいたいものである。
 それにしても、東海地方では甚大な人的・物的被害が想定されているのであるから、<日本沈没>ほどの対策があってもいいようなものであるが・・・・。

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(橋上よりーー東南方面)